-
[ 2016-06 -10 23:22 ]
でも仕事あるだけで幸せです。。
僕はエルブランシュでほぼ毎日料理を作ってるけど、
エルブランシュをオープンした時と今では料理に対する考え方が変わったように思う。
それはある意味視野が広がったから。
今までフランス料理一筋だったけど、もっと大きな世界をみたくなった。
今年で43歳。
業界では若手でもなければ、もちろん大御所でもない。
中堅に差し掛かったところだろうか。
中堅には中堅のやるべきことがあると思う。
それは、今まで培ってきた技術と知識をフルに使って新しいことに挑戦すること。
そして、それを若い料理人たちに指し示すこと。
新しいことへの挑戦だから、もちろん上手くいくとは限らない。
もし、上手くいかなくても、その失敗例も後輩たちに見せておこう。
みんな先人に学んで進化し続けてきたのだから。
とは言え、低温調理を唱えたアラン・パッサールや、
分子ガストロノミーのフェラン・アドリアみたいな大それたことはなかなか難しい。
料理に革新をもたらした偉大なる先輩たち。
彼らは天才の域。
僕には僕のやるべきことがあって、誰かの役に立つことがきっとあるだろう。
地味でもいい。挑戦することが大事。
10年くらい前に魔法のフォアグラというスペシャリテでエルブランシュをオープン。
フォアグラ焼くために、カウンターを設けて分厚い鉄板を特注で設置した。
個室のようなカウンターがシェフズカウンターと呼ばれ喜ばれてる。
魔法のフォアグラは、食べたら本当に魔法にかかる、と思う。
(みんながそう言ってくれる)
エルブランシュで使う極上食材のはじっこを捨てるのはもったいないと、
同じビルの屋上を改装して「はじっこブラッスリー」なるものをオープン。
屋上を改装!!!なんて変わったお店にたくさんの人が押し寄せてくれてる。
東京タワー見えるしね。
海外のレストランも監修させてもらった。
バリ島でフレンチなんて、夢にも思わなかったシチュエーションだった。
貴重な体験。
今は外食産業大手チェーンの商品開発のアドバイザーもさせてもらってる。
とっても勉強になる。
今年になって地方へ進出した。
僕の故郷である福井。
人、少なっ!ていうレベルの福井県(人口80万人弱)で、しかも郊外。
素敵な古民家をリノベーション。
古民家なのにちょっと北欧っぽいモダンな空間で、しかも海が見える絶景。
ここではSurf&Turfという新し概念のフレンチに挑戦している。
名前は「LULL」(ラル)。
"凪”という意味。(英語)
このLULLを計画中にひょんなことから、
近くにある小さな蔵でフレンチデリを始めることになった。
デリと言っても、ただのお惣菜屋ではない。
レストランをテイクアウトする、
というコンセプトで、お惣菜のレベルじゃない本格フレンチを販売している。
そんなの福井の人は誰も買わないよ、って言われたけど結構売れてる。
その名も「HALF MOON BAY」
すでに両店とも店名がフランス語じゃなくなってる。
実は来年、もっと大きなプロジェクトがある。
それは福井はブルターニュだ!と宣言するプロジェクト。
ブルターニュは福井と同じく、
リアス式海岸があり、晴れの日が少なく、波が荒く、魚介類がとびっきり美味しい。
そしてもう一つ、人が優しい。
だから福井の越前海岸はブルターニュだ。
と決めつけることにした。
僕にとってブルターニュでの修業は思い出深い時間だったから。
越前海岸を見渡せる水平線と夕日が美しい丘の上にレストランを作ります。
革新的とまではいかなくとも、新しいことに挑戦することには意義がある。
僕の料理も同じように進化し続けてる。(はず...)
地味だけど着実に。
仲間を募集してます。
今、僕が挑戦している地方再生のレストラン事業を一緒にやりませんか。
