料理人の休日

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世界でいちばんおいしいごちそうって、なんだろう? その15

彼女は、まず、食前酒にシャンパンを注文しました。
シャンパンがサーブされ、さぁ、いよいよ最初の料理です、
「愛媛産の車海老に包まれた、極上キャビア、サワークリーム添え」
彼女の目の前に料理が置かれます、
彼女は小さなフォークで、まず、半分に切り、
その半分を口に運びました。
その瞬間、彼女の目は大きく開き、
「幸せッ!」とつぶやきました。
僕は、「当たったッ!」と心のなかでよろこびながら、
手は次の料理を準備しています。





次は、「ビュルゴー家の誇るシャラン鴨のエギュイエットのカルパッチョ仕立て、
グレープフルーツのドレッシングソースのルッコラのサラダを添えて」
彼女は鴨のエギュイエットのカルパッチョに、
目を輝かせ驚きました、「おいしいッ!」
僕もよろこびます、日本でこの料理は、
今夜が初めてという可能性が高く、
だからこそ召し上がっていただきたかった、
ちゃんと受け止めてもらって、
僕もつくった甲斐があります。





ここまでくると、もう彼女の心はつかんだも同然。
次の「フォワグラのポワレ、シェリーヴィネガー・ソース」は、
僕のスペシャリテ、これまで何千回もつくってますから、
間違いはありません、
彼女もまたすでに数回召し上がっています。
ですから、ここはおたがいあらかじめ安心です。




さて、僕の父が選んだグジです。
「このソース、おいしい。
小川シェフのソースのヴァリエーション、
すごいですね、こんなソースもつくられるんですね。」
(もちろん僕はうれしいです)。






そしていよいよメインです。
「柳生さんの育てた生後二ヶ月の乳飲み仔羊のロティ、
ジロル茸のソテーとサマートリュフの香り、
シンプルな仔羊のジュに赤ワイン風味をつけたソースで」



さぁ、彼女はいったいどう受け止めるでしょうか?



つづく
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by le-tomo | 2008-07-20 02:33 | 世界でいちばんおいしいごちそう
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エルブランシュ(麻布十番)のオーナーシェフ


by tomohi
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