料理人の休日

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世界でいちばんおいしいごちそうって、なんだろう? その2

実はエルブランシュには、フロアテーブル五卓二十席のほか
オープンキッチン、シェフズ・カウンターが五席ほどあります。
お客様の目の前で、僕が料理をつくりします。
当初の考えは、「ひとりフレンチ」のお客様も大歓迎、
夜十時以降は、ワイン・バーとしてもご利用ください、
というつもりで作りました。
(お陰様で好評をいただいています。)




予想外のこともいろいろあって。
お客様の目の前で、料理のすべてを見せることの、
緊張感を僕ははじめて知りました。
たとえばお客様は
料理の最中に思いがけないことをおっしゃいますから、
最初は、料理に集中できないこともたびたびでした、
でも、それも僕を鍛えてくれましたし、
もっと良かったことは、
僕は、目の前で僕の料理を召し上がるお客様の表情を
毎日見ることができること。
お客様はみなさん正直なもので、料理のどの部分に、
どんなふうに反応なさっているか、
(あるいは反応なさっていないか)
手に取るようにわかるんです。



お客様の反応は、たまに僕をどん底に突き落とします、
(たとえばお連れ様との会話に夢中で、
せっかくの料理を暖かいうちに召し上がってくださらないお客様とか・・・)、
でも、そんなときもふくめて僕に学びを与えてくれますし、
それにお客様の笑顔を見ること、
ふと漏れる感動の声を聞けば、
それはほんとうにうれしいもので、励みになります。




最近は僕もようやく適度な緊張感とくつろぎをもって、
お客様と楽しく会話をしながら、料理を作れるようになりました。
エルブランシュがオープンしてからあっというまに一年が経ちました、
ところで、僕の料理観は、この一年で少しだけ変化していました。
最高の食材に適切な加熱、
的確なポワレ、ソテー、セジール、ロティ、ルポゼ...
それはもちろんいうまでもありません。
でも、その先にある、
さらなる美味しさの世界について、
僕は考えはじめるようになっていました。




つづく
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by le-tomo | 2008-06-24 12:46 | 世界でいちばんおいしいごちそう
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エルブランシュ(麻布十番)のオーナーシェフ


by tomohi
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