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料理人の休日

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エルブランシュは、柳生さんの育てた仔羊を応援します。その1

僕ら料理人は、おいしい料理を作る係です。
でも、いくら技術があって、センスが良くても、
すばらしい食材がなければ、すばらしい料理は絶対できません。
ですから僕は鴨ならビュルゴー家のシャラン鴨、
仔鳩ならフランソワ・ユエさんのラカン鳩、
バスク豚ならオテイザさんの育てたものを
これまでもずっと買ってきましたし、
これからも買い続けてゆきます。




僕は料理人ですから、僕が信頼する業者さんを通じて、
それらの自分が最高だとおもう食材を選んで買うだけです。
その作り手の人たちには会ったこともなければ、
電話で話したことも、
メールのやりとりをしたこともありません。
それなのに、僕は、毎日自分の選んだ食材を使っているうちに、
不思議なことに、いつのまにか、
自分の大好きな食材の作り手さんたちに、
したしい気持ちをもつようになっていました。



たとえば、
ロワール地方のシャラン村で、
ほとんど家族経営で、
代々、もう百何十年にわたって、
最高の鴨を作り続けてきた
ビュルゴー家の人たち。
最高の環境を求めてフランス全土を歩きまわり、
最終的にラカンの地を選び、
それ以来、きょうまでずっと、
「樹の上で眠る黒い貴婦人」ジェリンヌ・ノワールや、
それからその姿は優美で肉質も最高の仔鳩を育てている
学者肌のフランソワ・ユエさん。
自分たちがプライドをかけて作ってきた
バスク豚を守るために、
闘って、闘って、社会を動かし、
そしてそのすばらしいおいしさを
僕たち料理人に知らしめてくれたピエール・オテイザさん、
そして彼らをはじめとする養豚家の方々。



僕は彼らがかわいがってかわいがって育ててくれた
食材を手にすると、
よし、今度は僕の番だ、まかせてください、
最高においしい料理を作りますからね、
という気持ちになります。



僕の大好きな肉は、なんと言っても、
ビュルゴー家のシャラン鴨、
仔鳩ならフランソワ・ユエさんのラカン鳩、
バスク豚ならオテイザさんの育てたバスク豚です。
ところで、フランス料理に欠かすことのできない食材、仔羊、
実は僕には、それほどまでに大好きな仔羊は、
ありませんでした。







つづく
by le-tomo | 2008-04-19 13:45 | エル ブランシュへ、ようこそ
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エルブランシュ(麻布十番)のオーナーシェフ


by tomohi
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