人気ブログランキング |

料理人の休日

ryorinin.exblog.jp ブログトップ

~第84章 風になびく洗濯物~  <僕の料理人の道>

まばゆいばかりの太陽。
僕が足を踏み入れたこの地は、さんさんと降り注ぐ太陽の光で照らされ、
石の色、土の色、人の色、全てがはっきりと見えます。

約束の1日前に僕はニースに着きました。
ムーラン・ド・ムージャンはカンヌからバスで10分ほど
山の方へ登ったところ、ムージャン村にあります。
ニースからカンヌまでは電車で30分ほどです。

ニースで1泊することにした僕は、安ホテルを探して、荷物を置き、
早速ニースの町をぶらっと散歩することにしました。
観光客らしき人が多いこの都会の町のメインストリートには、
たくさんの人々でにぎわっていました。
そして有名な海岸沿いの道、プロムナード・デ・ザングレ。
目の前に広がる真っ青な海に目を奪われながら、
僕は海岸へ降りてみました。
足元は砂ではなく小さな砂利。
そう、ここニースの海岸は砂浜ではなく玉砂利の海岸です。

この海岸から少し奥に入ったところに旧市街があります。
この旧市街は、今まで歩いてきた街並み、高級リゾートといった感じは全くなく、
迷路のように細い路地だらけで、上を見上げると洗濯物が風になびき、
生活をしている人の笑顔であふれている庶民的な風景でした。
僕はこの旧市街で、庶民の人々と同じように食事をとることにしました。
ニース名物、野菜の煮込みラタトゥイユ、ニース風サラダ、
ヒヨコ豆をひいた粉で作ったクレープのようなソッカ、
地中海の魚介のエキスがたっぷり入ったスープ・ド・ポワソンなどなど。
みんな、楽しそうに食事をしながらわいわい騒いでいます。
この辺のお店のテーブルはどこも路地にはみ出しています。
というより、ほとんど外にテーブルがあります。
お洒落に言えば、オープンテラスといったところでしょうか。
そうこうしているうちに辺りはすっかり暗くなってきました。
さっきまで風になびいていた洗濯物はいつの間にかとりこまれていました。

明日、いよいよカンヌ。
太陽の料理、ロジェ・ベルジェ氏がオーナーシェフの
ムーラン・ド・ムージャンに向かいます。
少し興奮気味の夜をニースでむかえました。


つづく


*この記事は、僕の修行時代のことを書いています。
by le-tomo | 2008-01-25 13:55 | 僕の料理人の道 81~90章
line

エルブランシュ(麻布十番)のオーナーシェフ


by tomohi
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite