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料理人の休日

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~第54章 イヴの夜~  <僕の料理人の道>

最後に僕がシェフルームから出てくると、そこにはもう、誰もいなく、ジョルジュが一人だけ僕を待っていました。

「聞いたか?シェフから」

ニヤニヤしながらジョルジュは僕に近づいてきました。

「ああ、明日の夜7時にテーブルを1つ予約してあるって?いったい何のこと?」

僕は今一、何のことか分からずジョルジュに意味を尋ねました。

「今日、シェフとミッシェルがいろいろ仕込んでただろ?あれはシェフが家に持って帰るものだけど俺達の分も一緒に仕込んでくれて、冷蔵庫においてあるんだって。明日、レストランの窓際のテーブルを1つ使っていいから、2人でクリスマスディナーを楽しめって言ってくれたんだよ。しかも、シャンパンとワインも用意してくれてるんだって。ソムリエにどれを飲んでいいか聞いておけって。ほら、聞いてこようぜ。」

僕とジョルジュは階段を降り、再びレストランに行きました。調理場からホールを覗くとお客様は見当たらず、サービスマンは後片付けをしていました。ソムリエを見つけ、早速、明日の僕達のワインの在りかを聞きだそうとしました。めがねをかけたソムリエはこっちへ来いといってワインセラーの前に僕達を連れて行き、飲んでいいワインを目の前に並べました。

1,2,3…全部で6本!
こんなに飲めないよ、と思いつつもありがたく頂戴し、ソムリエに礼を言ってさっさと2階に上がり、着替えて、さっきジョルジュと約束していたパブに2人で飲みに行きました。

やっぱりドイツ人ですね。ジョルジュのビールの飲みっぷりは素晴らしく、僕のようにちびちびした飲み方では美味くないと叱られ、明日の2人の、パーティーと呼ぶには寂しすぎるディナーを楽しみに、イヴを過ごしました。


つづく

*この記事は、僕が修行していた時代のことを書いています。
by le-tomo | 2006-10-27 23:35 | 僕の料理人の道 51~60章
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エルブランシュ(麻布十番)のオーナーシェフ


by tomohi
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