~第15章 憧れのフランスへ~ <僕の料理人の道>
そんな人からのいきなり電話。
「おう、元気か?小川、フランス行きたいか?」
驚きましたが、「はい、行きたいです。」と答えました。
そして、次の言葉は、
「明日にでも、行けるか?」
明日にでも…。
ためらわずに僕は即答しました。
「はい、行けます。」
それは、ごく自然に。そして当たり前のように。
数日後、彼から手紙が届きました。中にはミシュランの赤本の1ページのコピーでした。ミシュランの赤本とはフランスで最も権威のあるレストランのガイドブックで、レストランを1~3つの星で評価しているあの有名な本です。その1ページのコピーの中ほどに赤線が一本。
“ここへ行けということだろう。”
不安もありましたがいろいろ考える暇も無くそれから2週間後にはフランスへ。
あの憧れていたフランスへ…旅立ちました。
つづく
*この記事は、僕が修行していた時代のことを書いています。