~第14章 焦りと不安~ <僕の料理人の道>
そんなことを考えてレストランをやめ、一旦実家に帰りました。とにかくアルバイトを探さないといけません。実家に戻って最初にすることはアルバイト情報誌を買って仕事を探すこと。
実家は田舎にあるためフランス料理店は少なく、イタリア料理店でのアルバイトが決まりました。そしてもう一つ、22時からはワインバーのキッチンのアルバイトも始めました。若かったので休みの日は土方もしました。そしてコツコツとお金を貯めていたのですが、肝心のフランスへ行く方法が見つかりません。旅行で行くのは簡単ですが向こうで働くとなるとやはり難しいのです。
もうすぐ実家に帰ってから半年が経とうとしていました。不安です…。時間が経つにつれて不安が積もっていきました。
“現場から外れてしまって戻れるんだろうか?今はただのフリーターだ。”
とにかく、ある程度お金が貯まったらフランスへ行くしかない。語学学校にでも通って留学生という形で行くしかない。学校に在籍さえすれば滞在許可証がもらえるはずだからその間に仕事を探そう。
焦りが出ていました。早くフランスへ行きたくて仕方がありませんでした。
もう、行ってしまうしかない。
そんな時1本の電話が…。
つづく
*この記事は、僕が修行していた時代のことを書いています。