フォアグラの波紋
僕のお店の一つ「フォアグラバル」に取材が殺到している。
フォアグラの飼育方法が残虐だということで波紋が広がっているから。
僕が使っているキャスタンのフォアグラは、放し飼いによる飼育方法で、
餌も人の手で丁寧に与えるという伝統的な方法なのだが、
中には機械で強制的に餌を与えるという近代的、
且つ工業的な飼育をしている粗悪な生産者もいるという事実に、
僕は、とても残念に思う。
フォアグラに限らず、家禽でも農産物でも、人の手で育てて食材にするということは、
少なからず、太らせて(大きく実らせて)美味しくするということになるだろう。
その方法が残虐かどうかという判断はとても難しく思う。
ただ、目を覆うような光景はやっぱり見たくないものだ。
改善できるならして欲しい。
それによって、価格が高くなっても仕方ないのではないのだろうか。
僕は、キャスタンさんを信じて、
むっちゃ高いけど(さらに2月から値上がりするけど)、
これからも、放し飼いの鴨のフォアグラを使うことにする。
(だからといって、その鴨たちが幸せなのかどうかまでは、僕には分らないが)
今の僕に、「だからといって」
フォアグラを使うのをやめるという選択肢は無い。
