料理人の休日

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父と僕とトマトの話  第四話

徐々に運転に慣れてきて、
僕は、父と少し会話をしました。
僕はあたり一面の砂地の畑を見て父に尋ねました、
「この辺は田んぼじゃないんや。なんかの畑?」
父は答えます、
「そうや、この辺は砂地やから、田んぼはできんのや。
たぶん、らっきょう畑がほとんどやろ。」
目の前に広がる、この砂地の畑集落が、
白方町だったのです。





父は言いました、
「智寛、明日からひとりで運転しいや。」





翌日、僕は、朝早く起き、車に乗り込みました。
僕はすでに高校卒業間近で、
あとは卒業式をむかえるだけ、
それまではずっと休みでした。
僕は、車に、物置から探し出してきた、
むかし買ってもらった釣竿をのせました。





僕は思い出していました、
東尋坊のある三国町の堤防まで、
小さい頃の僕ら兄弟を連れて、
父はよく釣りに連れて行ってくれたことを。
僕はもう道順も覚えたので、
コドモのころ楽しかった魚釣りに出かけることにしました。
途中で、餌と仕掛けを買って、
そして、砂地の畑が広がる白方町を通って。



魚釣りをしながら、これから自分に
どんな人生の体験が待っているんだろう、
とぼんやり思っていました。



つづく
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by le-tomo | 2008-11-05 13:10 | 父と僕とトマトの話
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エルブランシュ(麻布十番)のオーナーシェフ


by tomohi
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