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料理人の休日

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コロナショック

コロナウィルスの感染拡大を防ぐために営業を自粛休業すると言う英断を下された飲食店のみなさんには心より敬意を表します。


僕はと言うと、複数のレストランを経営しているのでお店によって対応は様々です。
すでに自粛休業していたり時間短縮しているお店もあれば、今のところ通常通り営業しているお店もある。
当然のことだけど、営業しているお店は営業する以上、徹底したコロナ対策を行っている。

一刻一刻と状況が変わる中、見えない敵を前に不安な毎日を過ごされている方がほとんどではないだろうか。
僕も、この光の見えない闇の中で、命を守ること、スタッフの生活を守ること、事業を維持することなど、いろんな矛盾と葛藤しながらの日々を過ごしている。
正解などあるのだろうか、と絶望感に襲われることもしばしばだ。


それで、ある人から聞いた「職業」についての話が心に残る。
消防士は火事があれば命をかけて火の中に飛び込み、警察官は殺人犯を見つけたら命を顧みず立ち向かって逮捕する。今ならば、医者はコロナの感染リスクがあろうと患者と向き合う。過労と戦いながらも。それが「職業」なのだと。
僕の「職業」は料理人だ。そして、レストランの経営者でもある。
美味しい料理で人々に幸せを与え、より良い事業を目指しスタッフの生活を豊かにすることが僕の「職業」なのだ。




「確実にパラダイムシフトが起こる」


さらに別の常連さんがこう言った。
確かにコロナショックが終息した後、我々の見る景色は今までとは全く違う景色になってるのは明らかだ。
僕は料理人として、経営者として、今何をすべきか。
飲食店は、今後、経営そのものの概念を変えないと生き延びれないのだろうと思う。だけどそれは簡単ではない。
でも、「やるしかない」のだ。


一刻も早いコロナ終息を願いながら、今僕が出来ることを考えてみる。


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# by le-tomo | 2020-04-12 20:40 | 考えたこと、想うこと

あの時のお寿司、美味しかったな。

僕の最初のお店、エルブランシュ をオープンするために物件を探していた13年前、何の実績もない、金もない、会社でもない個人の僕に物件を貸してくれる大家さんは一人もいなかった。


1年以上探し続け、もううんざりな感じになってたその時、麻布十番の新築のビルの情報があると、お世話になっていた不動産屋さんから連絡あった。新築のビルなんて無理に決まってるけど、ダメ元で、やけくそで申し込んだのが、今、エルブランシュのあるビル。

1フロアに1店舗のテナントで8階建てのビルだけど1階と2階はセットになっていた。要するに7店舗入るビルなのだが、150社の申し込みがあり、すでに30社に絞り込んだあとだと。しかも、申込書をファックスした後、よくよく資料見たら締め切り過ぎてた。
「駄目じゃんこれ。応募が多すぎるし、家賃高すぎるし。しかも、締め切り過ぎてんじゃん!」って不動産屋さんと一緒に笑い飛ばして話のネタくらいに思ってた。


そしたら、そのビルの社長が事業計画書を送ってほしいと言ってると。
「えっ?」ってなり、「どうしよ、どうしよ」ってなり、徹夜で事業計画書を書いて翌日ファックスした。
今思うと事業計画書なんて書いたことなかったから、単なる自分の想いを書いただけの、ただの作文送ってた。。。
しかも40ページ。(ながっ)


そしたら、社長が小川さんと会ってみたいと。
また「えっ?」ってなり、慌ててネクタイ新調しちゃったよ。
しかも8,000円もする高いやつ。
銀座のアルマーニにでも行こうかと思ったけど、怖気付いて新宿のマルイにしといた。
あり得ないのに、もしかして、って期待しちゃってね。
で、当日、緊張して社長に何話したか覚えてない。
家賃払っていける根拠など無かったので、頑張ります、ひたすら頑張りますってだけ言ってたと思う。


そしたら、ほんとに、もしかしてが叶っちゃって。
社長が、「小川さんに一つ貸すよ」って。
「5階を使ってよ」って。
そして、「お寿司食べに行こうよ」って。


あれから12年。
5階だけが12年前と同じく、今だここにある。


その社長が亡くなったと奥様から連絡があり、驚いてすぐに奥様に会いに行った。
癌だったのだけど、最後まで治ることを信じ必要最低限の人にしか言ってなかったのだと。

社長にはたくさんのご迷惑をおかけいたしました。
本当に、本当にお世話になりました。
恵比寿で食べたあの時のお寿司、最高に美味しかったです。
ご冥福をお祈りいたします。


あの時のお寿司、美味しかったな。_c0007246_22220455.jpg


# by le-tomo | 2019-03-19 22:26 | その他いろいろ...

明けましておめでとうございます。2019

明けましておめでとうございます。

ブログを読んでくれているみなさん、いつもありがとうございます。
大晦日は徹夜でエルブランシュのお節を作り、年明け早々1日朝に福井に行きそのままHAZEに。
2日のランチはLULLでお仕事。
2日夜は中学校の同窓会があり、3日は大阪に行き、4日の夜遅くに東京に戻り、今日はのんびりしています。

毎年、今年もいい年になりますようにと願い、終わってみれば色々大変なこともあり、でも結果的にうまく行かなかったこともあるけどいろいろ挑戦もしたな、いい年だったな、と振り返り、そして心新たに、今年もいい年になりますように、と期待に胸を膨らませるの繰り返し。
毎年繰り返しだけど、こうして、お正月は新鮮な気持ちになるチャンスですね。

みなさまにとって2019年、素晴らしい年になりますように。



# by le-tomo | 2019-01-06 13:02

変わり続ける

「大変」とは「大きく変わる」ということだと昔、先輩から教わったことがある。
確かに、変わろうとすると同時に不安や恐怖が心を襲うから、それを乗り越えるのは大変なこと。
多分、この不安や恐怖はどうなるか「分からない」ことから起こるのだろう。「分からない」ことは怖いものだ。
それでも変わり続けることが成長するということだと思う。

ある本にこう書いてあった。
変化に対して起こる不安や恐怖は、自分という存在を、時間を超えて一定に保つことで、自己崩壊しないようにする作用、すなわち「自己の維持」という本能が人間にはあると。

成長とは本能との戦いなのか?

そこで思い出したのが、「我思う、ゆえに我あり」で有名なフランスの哲学者、ルネ・デカルトの言葉。

「困難は分割せよ―de diviser chacune des difficultés―」

もし変わることで何かの困難にぶつかったら、その問題を細かく切り分けて考えれば、大抵の困難は乗り越えられる。
だから、何にもしないうちから、失敗するかもとか誰かに批判されるかもとか、あまり深く考えない方がいい。

やっぱり行き着くところは、やるべきこと、信じることを「やるしかない」のだ。
最悪のことなんてほとんど起こらないのだから。

勝又シェフからこのことを学んだ。
というより、若い頃叩き込まれた。
写真はオーミラドーの厨房に掲げてある「やるしかない」

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# by le-tomo | 2018-12-05 12:13 | 考えたこと、想うこと

料亭春駒

明治44年に建てられた、福井県越前市(旧武生市)にある料亭春駒。

80年もの長き間代々受け継がれ営業してきたのですが、当主がお亡くなりになり、当主の希望で市に寄付された歴史的建物。

越前市のまちづくり会社からこの旧料亭春駒を再建出来ないかという相談があり、22日に見にいってきました。
料亭春駒をフレンチレストランもしくはオーベルジュとして復活させたいという希望のようです。

外観は複雑に組み合わされた入母屋造越前瓦葺の屋根と赤い土壁が特徴的な建物で、内部は部屋ごとに異なった数寄屋風の意匠でまとめられ、とこ廻り・欄間・障子などの細部も手のこんだ造りが見られ、近代の数寄屋風和風建築の一端を良く示している建築物。

素敵な建物です。

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ここ越前市はもともと武生(たけふ)と呼ばれていて、僕的には武生と呼ぶ方が自然。
(市町村合併で越前市と改名された)
福井出身ながら、あまりいったことがなかったので知らなかったけど武生には料亭やお寺がたくさんあって、三味線やお琴の稽古場もある。
歴史と情緒ある街だということを初めて知った。

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料亭春駒
復活なるか!

# by le-tomo | 2018-10-24 13:43 | マイナーリバーズ@FUKUI
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エルブランシュ(麻布十番)のオーナーシェフ


by tomohi
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