料理人の休日

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月刊専門料理9月号

毎日毎日、先輩にどやされ、殴られ、
それでも必死くらいついていた、修行時代。
そんなペーペーの僕らの憧れは、
いつか、きっと、なれるかもしれない、
いや、きっとなれると信じていたスターシェフ。
いつか、シェフになって、自分のお店を持ち、
さらに、光り輝くスターシェフになることを夢見て。
その第一歩は専門紙にのること。
自分の料理がカラーで紹介され、しかもインタビュー付き。
そんな日がいつか、きっとくる。
そう、いつかきっと。


月刊専門料理9月号(8月19日発売、柴田書店)
テーマは「自分流で」。
カラー見開き2ページ。(94、95P)
もちろん、僕の料理の写真とインタビュー付き。


そう、この日が来たんです、僕にも。
実は、専門料理にのるのは2回目。
でも、前回はモノクロで、記事のみ(写真なし)、
しかも1/4ページ。

今回は、2ページ全部、僕の料理と、僕の記事なんて、
あのころ、あこがれたことが現実になりました。
でも、まだ全然、スターシェフじゃないですけど。
まぁ、一歩近づいたということで。


専門誌にのったところで、料理人しか読まないので、
レストランのお客様が増える、ということではないですけれど、
修行時代にあこがれた、専門誌に自分がのるということは、
やっぱりうれしいですね。

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by le-tomo | 2008-08-21 03:18 | エル ブランシュへ、ようこそ

マダム・カサディのおもてなし料理教室 8月24日(日)開催!

僕はプロの料理人を目指して修行を重ね、
ロジェ・ベルジェ・シェフやジャック・ギヨー・シェフ、
勝又登シェフなど一流の師匠に料理を教わり、
いまでは、エルブランシュでコース9800円と14700円(税込み)の
コースをお出ししています。
僕は潤沢に各種のフォンを取り、
一流の食材に緻密な加熱をほどこし、的確なソースを併せています。
手間も時間もかかる、高い技術の料理です。
お客様からたくさんのおカネをいただいてこそ作ることのできる
極上レストラン料理の世界です。
でも、僕がアマチュアのみなさんに料理をお教えするとき、
いつもおもい浮かべるのは、マダム・カサディのことです。
彼女の作る料理は、僕らの作る料理とはまったく違っていました、
お気楽極楽、ただしセンス抜群、食べるとすごくおいしい。
しかも(僕らとはまったく違ったやり方で)みんなを幸せにします。








アヴィニヨンから車で約三十分のあたりに
リル・スュール・ラ・ソルグという小さな村に、
二百年前に立てられた古い洋館があります。
今では、オーベルジュとなって、
村の人々から愛されています。
そこは僕のフランスでの最初の修行先でした。
この村の村はずれに、
ひとりの料理上手なマダムが住んでいました。




彼女の名前は、ベアトリス・カサディ。
マダム・カサディの家は、
門をとおると、小さい庭があって、
そのむこうに玄関があります。
玄関をはいると、そこは、
いきなりカウンターキッチンがあって、暖炉があって、
大きなテーブルがありました。
彼女の家の一階は、ほとんど
キッチンと食卓で出来ています。



僕はひょんなことから彼女の家に招かれたことがあり、
そのときの、彼女の料理を作る、その作り方に、
僕は、たいそうおどろいたものです。



彼女はプロヴァンスの地方料理「ラタトゥイユ」を作ります。
そう、野菜を、水を一滴も使わず、野菜自身の水分だけで煮込む、
素朴ですが、誰もが大好きな、夏の一品です。
ただし彼女は、野菜を切るとき、なんと、
まな板を使いません。
鍋に、オリーブオイルをたっぷりと入れ、
その鍋の上で、刃渡り10cmくらいの小さなナイフを握り、
もう片手に持ったにんにくを切り、そのまま鍋に落とします。
さらに、玉葱、茄子、ズッキーニ...すべてそのやりかた、
あれよあれよというまに、鍋の上で、
次々に野菜が、軽快に切られていきます。
あっというまに、ラタトゥイユが出来上がりました、
まるで魔法のように。



僕は、おどろきました、
マダム・カサディの、この軽快な料理法に。
マダム・カサディは歌を歌いながら、
リズミカルに、正確に、調理してゆきます。


料理が運ばれ、みんなが席に着き、
ワインが開けられ、マダム・カサディが叫びます、
「ボナペティ!」




誰もがマダム・カサディのことが好きで、
彼女の家へ招かれ、ごちそうを食べる機会を
心待ちにしていました。
彼女のもてなしは、料理だけではなく、
テーブルには、プロヴァンスの伝統柄、
オリーブ柄のテーブルクロスがかかり、
きれいに並べられたナイフとフォーク。
まんなかには、夏らしく、小さなひまわりが飾ってありました、
それらのすべてはいかにも
マダム・カサディらしいたのしいふんいきを
かもしだしていました。




僕はいまでもマダム・カサディの、
明るい声をおもいだします、
それは僕を微笑ませ、プロヴァンスの明るい日差しと、
幸福をおもいださせます。




僕は、『マダム・カサディのおもてなし料理』と題して、
料理教室をシリーズで開催することにしました。
教えるのは僕ですが、でも調理法もスピリットも、
すべてマダム・カサディのものです。
きっとみなさんもマダム・カサディが大好きになるでしょう。
お料理好きのみなさん、このマダム・カサディのおもてなし料理に、
ぜひ、いらしてください。





*********


『マダム・カサディのおもてなし料理 
第一回 ラタトゥイユ と豚肉のポワレの巻』



1、オードブル

南仏風野菜の煮込み、ラタトゥイユ、
甘エビのマリネ添え

2、メイン料理

豚肉のポワレ、シャルキュトリー風、
ポンムムースリーヌ添え


*********





今回の料理はこの二品。
冷たく冷やしたラタトゥイユは、
マリネした甘エビを添えて、贅沢な一品に。
豚肉は、僕の得意のポワレで、ジューシーにやわらかく焼き上げ、
ピクルスとマスタードを使った、ちょっと酸味の利いた、
夏向けの一品を。

僕が、みなさまの前でデモンストレーションを行い、
ご家庭でも作れるように、分かりやすくコーチしてゆきます。



その後、はお食事タイム。
この料理二品にデザートをつけて、
ワインも一本あけちゃいます。
料理の話し、食べ歩きの話しなど、
みんなで情報交換しましょう。


定員は五名。
料金はお一人様、一万円。


お申し込みは、03-5439-4338(16時以降)、
又は、メール、info@aileblanche.jp
までお願いします。
メールの方は、お名前、電話番号、人数を必ず明記してください。
(一組二名様までとします。)
折り返し、受付のお返事をしますので、
その返信メールにて、受付完了です。

定員になり次第、締め切りますので、
お早目のお申し込みをお願いいたします。

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会場:エルブランシュ
日程:8月24日(日)
時間:17:00(10分前にはお越し下さい)
料金:一万円(税込み)*当日ご来店時に清算します。
持ち物:筆記用具、(撮影もOKなのでカメラをお持ちいただいても結構です)
定員:五名 *先着順とさせていただきます。
お申し込み方法:お電話(16時以降)又は、メールにて。

TEL:03-5439-4338

*お申し込み受付後のキャンセルの場合、
 料金はいただきますのでご了承くださいませ。


<スケジュール>

16:30~開場
17:00~デモンストレーション開始
18:50~お食事開始
21:00 終了予定

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エルブランシュ
港区麻布十番2-8-10 パティオ麻布十番5F
Tel:03-5439-4338
HP:www.aileblanche.info
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by le-tomo | 2008-08-17 18:42 | エル ブランシュへ、ようこそ

夏季休暇のご案内

エルブランシュ、夏季休暇のご案内です。

8月は、通常の定休日、毎週日曜日と、第二月曜日に加え、
25日(月)、26日(火)の二日間、夏季休暇をいただきます。




今月一杯は、僕が毎年、この季節だけ作っている、桃のスープをご用意しています。
コンソメとヨーグルトを完熟の桃の果肉とあわせて作った、
口の中に広がるやさしい甘さと、ほのかに香る幻想的なな香りが、
口に入れた瞬間に、心に響く、そんな魅惑的なスープです。
(シャラン鴨をメインにしたコースの二皿目のオードブル::9,800円::、
もしくはアラカルト、::2,100円::にてご用意しています。)

もうひとつ、
フランスのドンブという村で育てた、
「インペリアル」と呼ばれる、肉厚で最上級のウズラが入荷しています。
ほかのウズラとは別格の、このインペリアル、
僕は、グリオットチェリーを使った、赤ワインのソースを併せます。
(アラカルト::6,200円)


今月の、この二つのスペシャル料理、
是非、お召し上がり下さい。

みなさまのご来店、心よりお待ちしています。
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by le-tomo | 2008-08-04 21:25 | エル ブランシュへ、ようこそ

~ 第96章  大盛りのマカロニグラタン ~  <僕の料理人の道>

「トモ、今週は休みなしだ。」
シルヴァンは、僕を見下ろすようにいいました。

僕は、その言葉が何を意味するのか、すぐににわかりました。
うれしくて、顔の筋肉がゆるみ、すぐにはもとに戻せませんでした。
「トモ、3日後のコラボレーションには、俺たちと一緒に、
ムッシュ・ブシェのアシスタントをしてもらう。」

まさに、願ってもないチャンス。
でも、なぜ?
なぜ、僕がメンバーに選ばれたのでしょう?


なんと、あのシルヴァンが、ロジェ・ヴェルジェ氏に、
僕を推薦してくれたからのようです。
あの、外人嫌いのシルヴァンが、です。
ありえない話しですが、本当に、彼が僕を選んだんです。
彼の包丁を砥いだ恩がえしのつもりでしょうか?

「ありがとう、シルヴァン。」
僕は、緩んだ顔の筋肉を戻すことが出来ず、
ニヤニヤしながら、お礼を言いました。
「まかない、なくなるぞ、トモ。」
彼は、にやっと笑って、歩き始めました。


“あいつ、いいやつだな”
僕は、こんな調子のいいことを思いながら、
まかないのマカロニグラタンをとりに、お皿をもって並びました。
僕の前には、大男、シルヴァンが並んでいます。
本当に、大きな背中です。
もう、熱々ではなくなったマカロニグラタンと、
トマトのサラダ、ヨーグルトをとり、
僕は、彼の前に座りました。
僕はいつもより、大盛りで、マカロニグラタンをお皿に盛っていました。
「どうして、僕を選んだんだ?」
まじめな顔で、僕は聞きました。
彼は、マカロニグラタンを食べる手を止めて、こういいました。
「トモ、お前、日本では1000番目より下なんだろ?
せめて、100番目くらいにはなれよ。」
「えっ、あぁ。」
なんだか、よく分からない答えでしたが、
とりあえず、僕は、ふたりの巨匠のコラボーレーションという、
魅力的な大イベントに参加できることになりました。


ロジェ・ヴェルジェ氏が言った、
「君は幸運だ。」
とは、このことでした。
日本からきた研修生が、
こんな大事なイベントに立ち会えるなんて、
僕のような駆け出しの料理人料理人にとっては、
大きな、大きな幸運です。



あと3日、
僕はワクワクしてきました。




つづく




*この記事は、僕の修行時代のことを書いています。
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by le-tomo | 2008-08-02 13:31 | 僕の料理人の道 91~103章
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オーナーシェフとしてのいろいろ。


by le-tomo
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