料理人の休日

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~第15章 憧れのフランスへ~  <僕の料理人の道>

その電話は、以前僕が働いていた「オー・ミラドー」で支配人をされていた方でした。僕は当時、彼からプロの仕事を教えられフランスへの憧れを持たせてくれた人でした。彼を強く尊敬していました。常人ではない。ただ者ではない。そんな印象を持っています。

そんな人からのいきなり電話。


「おう、元気か?小川、フランス行きたいか?」

驚きましたが、「はい、行きたいです。」と答えました。

そして、次の言葉は、

「明日にでも、行けるか?」

明日にでも…。

ためらわずに僕は即答しました。

「はい、行けます。」

それは、ごく自然に。そして当たり前のように。

数日後、彼から手紙が届きました。中にはミシュランの赤本の1ページのコピーでした。ミシュランの赤本とはフランスで最も権威のあるレストランのガイドブックで、レストランを1~3つの星で評価しているあの有名な本です。その1ページのコピーの中ほどに赤線が一本。

“ここへ行けということだろう。”

不安もありましたがいろいろ考える暇も無くそれから2週間後にはフランスへ。

あの憧れていたフランスへ…旅立ちました。


つづく


*この記事は、僕が修行していた時代のことを書いています。
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by le-tomo | 2005-09-30 01:26 | 僕の料理人の道 11~20章

~第14章 焦りと不安~  <僕の料理人の道>

“とりあえず、実家に帰ってお金を貯めよう。フランスへ行く方法を考えよう。”


そんなことを考えてレストランをやめ、一旦実家に帰りました。とにかくアルバイトを探さないといけません。実家に戻って最初にすることはアルバイト情報誌を買って仕事を探すこと。

実家は田舎にあるためフランス料理店は少なく、イタリア料理店でのアルバイトが決まりました。そしてもう一つ、22時からはワインバーのキッチンのアルバイトも始めました。若かったので休みの日は土方もしました。そしてコツコツとお金を貯めていたのですが、肝心のフランスへ行く方法が見つかりません。旅行で行くのは簡単ですが向こうで働くとなるとやはり難しいのです。

もうすぐ実家に帰ってから半年が経とうとしていました。不安です…。時間が経つにつれて不安が積もっていきました。

“現場から外れてしまって戻れるんだろうか?今はただのフリーターだ。”

とにかく、ある程度お金が貯まったらフランスへ行くしかない。語学学校にでも通って留学生という形で行くしかない。学校に在籍さえすれば滞在許可証がもらえるはずだからその間に仕事を探そう。

焦りが出ていました。早くフランスへ行きたくて仕方がありませんでした。

もう、行ってしまうしかない。


そんな時1本の電話が…。


つづく


*この記事は、僕が修行していた時代のことを書いています。
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by le-tomo | 2005-09-24 12:01 | 僕の料理人の道 11~20章

~第13章 川上のぶ先生~  <僕の料理人の道>

フランスへ行きたい…. 
     
でも、どうやって?

何とかなるさ。

両親にこのことを話したところ親戚のおじさんからこんな話をもらいました。
「川上のぶ先生という方が福井出身で今は東京にいらっしゃる。川上のぶ先生はあの村上信夫料理長(帝国ホテル総料理長)をフランスに行かせ育てた人だ。彼女の元ご実家の近所に住んでいて彼女のことを知っているという人が提携先の社長をしているので彼に話をしてもらえばきっとフランスのレストランを紹介してくれるだろう。」

そんな凄い人が僕と同郷だったなんて。ラッキーだ。これでフランスへ行ける。

数週間後、川上のぶ先生を紹介してくれるという社長さんの所に挨拶に行きました。そして、「話はしてあるから、川上先生に連絡してみなさい。」と連絡先を渡されました。

緊張はしながらも川上先生に電話をし、フランスへ行きたいと思っていることを伝えました。

川上先生のお言葉は厳しいものでした。
「あなたはフランスへ行って修行する事がどんなに厳しいものか分かってるのですか?そんなあまいものじゃありませんよ。それでも行きたいとおっしゃるのなら都内の○○○シェフのレストランで3年修行なさい。そしたら考えてもいいですよ。」

僕は唖然としてしまいました。あまかったのです。そんな簡単に、「はいそうですか、わかりました。それじゃフランスの3星レストランの○○に話をしておきますから行ってらっしゃい」なんていくわけがなかったのだ。

でも、まだチャンスはある。都内の某シェフの下で3年修行すればフランスへ行けるかも知れない。当時僕は23歳。3年後でも26歳。まだ若い。それに某シェフも有名な方だ。勉強にもなるだろう。

でも、今すぐ行きたい…。 3年も待てない…。

でも、どうやって...。


つづく


*この記事は、僕が修行していた時代のことを書いています。
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by le-tomo | 2005-09-09 01:02 | 僕の料理人の道 11~20章
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オーナーシェフとしてのいろいろ。


by le-tomo
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