料理人の休日

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~第11章 シェフ・ド・パルティエ~  <僕の料理人の道>

ある日突然、ムッシュ(勝又シェフ)に呼ばれました。シェフルームへ来い…と。“なんだ、どうなるんだ”初めてムッシュに呼ばれて入るシェフルーム。緊張しまくりました。ムッシュの目の前に座り心臓のドキドキ音は更に加速。僕にとってムッシュは神様のような存在で直接話すことなんてほとんどありませんでした。

そしてムッシュは  「頑張ってるな」  と一言。

「は、はい」 僕は慌てて返事をしました。そして、更にムッシュの言葉が続きます。

「小川、お前来月からギャルド・マンジェのシェフをやれ。出来るだろ?」

意外な言葉に 「は、はい」 また、慌てて返事を。

ギャルド・マンジェとは食材の監理とオードブルをつくるセクションです。そして、来月から僕はそのセクションのシェフ。

どうしよう…、まだ何にも分からないのに。

そうして、不安いっぱいでもチャンスを目の前に“成し遂げたい”という気持ちで更に頑張れる。

やめなくてよかった。

シェフと付いてますがあくまでギャルド・マンジェ(一番最初のセクション)のシェフですが、それでも20歳の僕には荷が重く、そして充分にやりがいのある仕事です。



挫折しかけた未熟な僕を踏みとどまらせた父の言葉。料理人としての才能が無いんだと勝手に諦めかけていた僕に、今しなければならないことの“道”を示してくれた稲葉さんの言葉。人の言葉の力とは凄いものですね。その言葉に今でも支えられ僕はシェフになったのですから。


つづく

*この記事は、僕が修行していた時代のことを書いています。
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by le-tomo | 2005-08-05 12:22 | 僕の料理人の道 11~20章
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エルブランシュ(麻布十番)のオーナーシェフ


by le-tomo
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